HMDを用いたヴァーチャルなドラム演奏環境の試作
日本大学文理学部情報科学科北原研究室所属
石山 俊之 蓮井 星良
研究概要
ヴァーチャルリアリティー (VR)市場が急速に拡大することで,VR空間内で楽器の演奏を可能とした作品も多く見られるようになった.しかし,それらの多くはエア楽器のようなものであり,演奏時に触覚フィードバックを得ることができないため,VRを用いない自然楽器と比べ演奏がしにくくなると考えられる.
既存作品には,コントローラーを振動させることで触覚フィードバックを与えているシステムが存在する.しかし我々は実在の物体を叩打することで触覚フィードバックを与えるべきだと考えられる.なぜならドラムの奏法として叩打時の反動を利用して次の叩打に繋げる方法が一般的であるためである.
本研究では上記の考えに基づき,VR空間のドラムの位置に重なるように実在のドラムを配置する.ユーザーは仮想空間での演奏を実在のドラムを叩きながら行うことになる.叩打時に反動を得られることでユーザーが演奏をしやすくなることを期待する.
評価実験では,実ドラムがあるシステム (条件1)を使用した演奏と実ドラムのないシステム (条件2)を使用した演奏を8通りのパターンで行い,発音タイミングのinter-onset interval (IOI)の変動を比較した.実験の結果,条件1は条件2と比べすべてのパターンで発音タイミングのIOIの変動係数が小さくなった.この結果より条件1のほうがより安定して演奏できる環境であった.
研究資料
卒業論文
2017年2月卒業研究論文 (pdfファイル)
卒業論文スライド
2017年2月卒業研究論文スライド (pdfファイル)
デモ動画