歌唱におけるピッチ知覚と音痴の原因の関係性についての調査実験

日本大学文理学部情報システム解析学科 北原研究室

岩崎順 長村佳祐 小泉遼




研究概要

今日では、カラオケというエンターテイメントが広く普及され、マイクを持って人前で歌を歌うという事が、一般的になっている。
人前で歌う機会が多くなってきている今、いわゆる「音痴」と呼ばれる人々も少なからず存在する。
「音痴」な人にとって娯楽であるはずのカラオケが苦痛なものになりかねない。
音痴の原因を科学的に解明することができればそのような人の苦痛を和らげることができると考えられる。
その音痴の原因に関する主たる疑問は「音痴は発声のための運動機構に原因があるのかピッチ知覚に原因があるのか」である。
この疑問を明らかにするために様々な研究がされていた。
本研究では、被験者にある旋律の歌を歌ってもらい、その歌唱のピッチを変換した音声を用いてピッチ知覚の実験を行い、その結果を検出した。
まず、被験者に使用する旋律の歌唱を聴いてもらい、同じ旋律を歌ってもらう。
次に、その歌唱のピッチを正しい方向またはその逆方向に変換してものを生成し、被験者に聴いてもらって、それが今自分が歌ったものより、上手いか下手かを答えてもらう。
被験者が自分の歌唱のピッチを正しい方向に補正した音声を聴いて、自分の歌唱の方が上手と判断すれば、当該被験者のピッチ知覚は不正確といえる。
また、その後、歌唱後に改めて録音した自分の歌唱と変換された音声を聴き比べて同じ質問に回答する。
もしも歌唱時には、正確にできなかったにも関わらず、歌唱後に正解できたとしたら、ピッチ知覚は正常でもそれを歌いながら行うのが苦手だと推察できる。
また、ほかの被験者による歌唱に対して同様のことを行い、聴いている音声が自分の声かどうかによる違いも調査する。
被験者はカラオケに苦手意識がある人が3名、苦手意識のない人が2名の計5名で実験を行った。
その結果音痴とピッチ知覚には深い関係性があるとともに、歌いながらピッチ知覚を行うことと、改めて録音した音声によりピッチ知覚を行うことまた他人の歌唱によってピッチ知覚を行うに大きな差が出ることが導き出された。



実験で用いた旋律楽譜

画像



研究資料


卒業論文
2016年2月卒業研究論文 (pdfファイル)

卒業論文スライド
2016年2月卒業研究論文スライド (pdfファイル)

プログラム
研究に使用したプログラム(zipファイル)