トランペット演奏時における
口唇周囲の筋活動と音響情報の関係性について

日本大学 文理学部 情報システム解析学科 北原研究室所属

研究概要

トランペットの演奏には、口唇周囲の筋肉が深く関わっているとされている。そこで演奏（音域や強度の違い）によって、口唇周囲筋が「どのような活動」を示すのかを調査した。
トランペットの演奏と口唇周囲の筋活動を調査した研究にElmarらのElectromyographic Analysis of Embouchure Muscle Function in Trumpet Playingがある。
Elmarらはトランペット演奏と口唇周囲筋の活動について以下の結果を報告している。

• 低音域の演奏中よりも高音域の演奏中の方が、筋活動が活発になる。
• 低強度の演奏中よりも高強度の演奏中の方が、筋活動が活発になる。
• 初心者は上唇の筋活動が下唇の筋活動より小さく、熟達者にその違いはなかった。

• 演奏可能な音域が広い奏者と狭い奏者では、高音域の演奏と低音域の演奏で同じ様に筋活動差が現れるのか？
• 強度の違いによって、筋活動に明確な差はないとする結果が別研究で存在するが、どちらが正しいのか？
• トランペット以外の金管楽器奏者がトランペットを演奏した際は、初心者と同じ筋活動をするのか？または熟達者と同じ筋活動をするのか？

• 低音域の演奏中よりも高音域の演奏中の方が、筋活動が活発になる。ただしその度合いは、特定の音高に対して決まるのではなく、演奏者が演奏可能な音域に依存する。
• 低強度の演奏中よりも高強度の演奏中の方が、筋活動が活発になる筋肉が存在する。ただし、音域と強度のどちらがより筋活動へ影響しているかは一概には言えない。
• 初心者は上唇の筋活動が下唇の筋活動より小さく、熟達者にその違いはない。また、トランペット以外の金管楽器奏者がトランペットを演奏した際、初心者と同様の筋活動差が確認された。

参考資料

• 卒業論文→PDFファイル
• 卒業研究発表で使用したスライド→PDFファイル
• 卒業研究発表に用意したスライド(非表示スライドも含む)→Presentationファイル